【学び】新任管理職に知ってほしい、仕事の「正しい」優先順位をつけるためのたった1つの「問いかけ」

学び/インプット

今回も管理職としての「時間の使い方」に関する話です。

以前、「自分じゃなくてもできることは『やらない』と決めること」について、記事を書かせていただきました。(この記事については、こちらをご覧ください。)

今回の記事では、多くの「やらなきゃいけないこと」の中で、どうしたら「正しい」優先順位をつけて行動していけるか?ということをお伝えしたいと思います。

次のような人に、この記事を読んでいただけると嬉しいです。

管理職や上司として「多忙な毎日」を送っている人

仕事の「優先順位をつける」ことが苦手な管理職や上司の人

僕自身の経験から、おすすめしない優先順位のつけ方

新任管理職の僕がしていた「仕事の優先順位のつけ方」

管理職1年目の僕は、自分の仕事や作業について、次の2つを「優先順位」の判断項目としていました。

①仕事や作業の期限(緊急度)

これは、単純に「締め切り」です。

当然、締め切りまでの期間が短いものを「緊急度が高い」としていました。

②仕事や作業の影響範囲(重要度)

これは、「自分の権限・担当内のものか」「僕の上司(部長)の権限・判断が必要なものか」というものです。

当然、「上司の権限・判断が必要なもの」を「重要度が高い」としていました。

目の前にある仕事や作業について、これらの緊急度や重要度を比べて、「着手・完了させる順番を決めること」が僕の「優先順位のつけ方」でした。

なぜ、僕はその「優先順位のつけ方」をしたか?

管理職の僕がやらなければいけない仕事や作業は、とても多かったです。

①課の目標設定、周知・実行

②係長のマネジメント支援

③部下の指導や人材育成

④業績評価や人事異動に必要な作業

⑤トラブル発生時の対処

このほかにも、様々な仕事や作業が毎日ありました。

時間は限られていますので、「着手する順番」を決めて、「確実に完了させていくこと」が重要と僕は考えていたのです。

僕の「優先順位のつけ方」の結果

僕は、期限が近いものや上司の判断を仰がなければいけないことを優先的に着手し、完了させていきました。

その結果、目の前にあった「やらなきゃいけないこと」は片づき、1年を終えることはできました。

しかしながら、「組織目標に自分の課は近づけた!」「自分は管理職として貢献できた!」といった実感は沸かず、僕自身の成果として胸を張れるようなものも特にありませんでした。

仕事や作業を終えることに時間が費やされてしまい、「管理職として、もっとやれることがあったんじゃないか?」という不完全燃焼感が僕の中に残りました。

僕自身の経験から、おすすめしない優先順位のつけ方

仕事の期限や影響範囲を比べて、着手・完了させる順番を決めることは、「目の前の仕事を完了させること」には有効でした。

しかし、「上限のない仕事」や「成果が目に見えづらい仕事」の中では、自分自身の前進を駆り立てる原動力にはならないと僕は感じました。

このような優先順位のつけ方は、管理職(課長)がすべき最も重要な仕事―組織目標に向けて、課のメンバーを前進させること―で、成果を出すには適していないと僕は考えます。

管理職として「仕事の『正しい』優先順位」とは?

僕は、新任管理職としての1年を振り返り、「どのように時間を使うべきだったのか?」という課題を感じていました。

そんなとき、僕は次の本を読みました。

「時間を使いこなせば人生は思い通り 神時間力」(株式会社 飛鳥新社)

この本の次の一節をヒントに、僕なりの「管理職として仕事の『正しい』優先順位」や、そのつけ方について考えることができました。

『時間から、どんな結果を得たいのか?』を考えないと、いつまでも目の前のことをこなすだけの人生になってしまう

引用元「時間を使いこなせば人生は思い通り 神時間力」<著者:星渉>(株式会社 飛鳥新社)

で、今、どこを目指しているの?<略>

優先順位がつけられない時は、この言葉を唱えろ。<略>

引用元「時間を使いこなせば人生は思い通り 神時間力」<著者:星渉>(株式会社 飛鳥新社)

管理職の時間の使い方

管理職(課長)になると、個別の仕事の達成水準を自分で決めることが多くなります。

組織目標を理解し、課の仕事を自分で組み立てていくことも求められます。

つまり、「どこまでやるか」と「何を仕事とする(選ぶ)か」を自分で決めていくということです。

従って、時間の使い方も変わります。

「仕事を終える」ために時間を使うよりも、自分が「成果を生み出す」ために時間を使うことが重要になると僕は考えます。

管理職として「仕事の『正しい』優先順位」

管理職(課長)としての成果―組織目標に向けて、課のメンバーを前進させること―は、管理職がビジョンやメンバーのことを「どれだけ考えたか」と「そのためにどんな行動をしたか」にかかっています。

これらに費やした時間が「成果」につながると僕は考えます。

ただし、1日の時間は限られています。

僕は、管理職の「仕事の『正しい』優先順位」とは、ビジョン実現に向けて、「今日という時間を『何に』費やすか」であると気がつきました。

「正しい」優先順位がもたらす良いコト

管理職がすべき「思考」と「行動」の原動力になる

「正しい」優先順位―今日という時間を「何に」費やすか―が決まっていると、目の前の仕事や作業に迷わされることなく、管理職として今すべき「思考」や「行動」を選ぶことができるようになります。

「ビジョンの実現に向かって、時間を使っている」という毎日の実感が、管理職としての自信や充実感につながります。

この自信や充実感が、「上限のない仕事」や「成果が目に見えづらい仕事」の中で前進していく力になると僕は考えます。

メンバーの意識・行動をビジョンに向ける

管理職が「関心を示していること」―何に時間を使っているか―にメンバーは注目していて、その行動を毎日見ています

管理職の発言や行動は、「ビジョン」として発信したメッセージ以上にメンバーに影響を与えると僕は考えます。

管理職がビジョンの実現に向けた「思考」と「行動」に時間を費やし、前進していく姿を見て、メンバーもビジョンに意識が向き、動き出すようになると僕は考えます。

チームとしての進行感が得られる

管理職の時間の使い方は、チーム全体に影響を与えます。

・管理職がビジョンの実現に向けた「思考」と「行動」に十分時間を費やすことができていること

・メンバーもビジョンに意識が向き、その実現のための行動ができていること

この2つは、チームに「ビジョン実現に、日に日に近づいている」という感覚を与えてくれます。

この毎日の進行感が、チームの行動をさらに促し、ビジョンの実現・成果につながると僕は考えます。

管理職として「仕事の『正しい』優先順位」をつけるための方法

「正しい」優先順位をつけるためにしておくこと

仕事の「正しい」優先順位―今日という時間を「何に」費やすか―を決める目的は、自分の限られた時間を使って、管理職としての自信や充実感を得て、成果を出すことです。

だから、管理職として実現したいことである「ビジョン」をしっかり持っておく必要があります。

この「ビジョン」が、自身の時間の使い方を決める判断基準になります。

(「ビジョン」に関連する学びや僕の考えは、別記事「【学び】管理職が果たすべき役割と「ビジョン」が備えるべき3つのもの」「【実践】ビジョンを作る」をご覧ください。)

「正しい」優先順位をつけるための「問いかけ」

目の前に「やらなきゃいけないこと」がたくさんあり、「何をしたらよいか?」と迷ったときは、次の「問い」を自分に投げかけます。

「ビジョンを実現するために、『今』一番得たいものは何か?」

そして、この「問い」の答えに合致するものを選ぶのです。

僕は、この「今」というのがとても重要だと考えます。

1年は「今日」の積み重ねで、今日は「今」の積み重ねです。

「今」得たいものを最優先に「思考」「行動」を選び、時間を費やしていくことが、「実現したいこと」に近づくための最も良い方法だと僕は考えます。

僕自身のビジョンからの「問いかけ」

僕が、自分の職場について作成したビジョンは、こちらです。


私たち一人ひとりが持つ“強み”を発揮し、顧客に提供する価値を高め続けていこう。

私たち一人ひとりが、“強み”の発揮を通じて、私たち自身の「思い」や「幸せ」を実現していこう。


僕が実現したいことは、「強みの発揮」「私たち自身の『思い』や『幸せ』」です。

僕の目の前に、いくつかの「やらなきゃいけないこと」があったとしても、僕は「『今』一番得たいものは何か?」と自分に問いかけます。

そして、自分やメンバーの「強み」「思い」「幸せ」につながることを最優先に選び、時間を費やすことにしています。

 「仕事の『正しい』優先順位」をつけるためのたった1つの「問いかけ」

以上のことから、僕が学んだ管理職として「仕事の『正しい』優先順位」をつけるための方法は、次のとおりです。


「ビジョンを実現するために、『今』一番得たいものは何か?」と自分に問いかけること


本から得た学びを実践し、より良い明日、

より良い世の中に。

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